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Maehara’s commitment

「傘」の中にいる4人の職人たち。

傘という漢字の中には、「人」の文字が4つ含まれています。
これは、傘を広げたときの象形文字や、傘のなかの骨を表現しているなどさまざまな説があります。もちろん、こうした意味から来ていることもありますが、私たちはこの4つの「人」は、“傘をつくるための4分野の職人たちを表している”と提唱しています。

1. 生地を織る

経糸(たていと)を一本一本織機に手作業でセットしたあと織っていきます。
その昔、甲斐織物の産地であった山梨県の富士山麓にある、伝統的な機(はた)によりゆっくりと丹念に織られます。

2. 骨を組む

角材を少しずつステッキのような形状に削り熱を加えて少しずつ真っ直ぐに仕上げます。その後、磨き上げた中棒に「はじき」を手作業で埋め込み、骨を組んでいくのです。

3. 手元を作る

さまざまな方法で手元となる素材の「曲げ」を行います。
火を使って熱を加えるものや熱湯につけてやわらかくするものなどがあります。曲げられた素材は、主に天然の染料を数回にわけて何度も繰り返し塗ることできれいなツヤを出します。この手間を掛けた「塗り」が使えば使うほどに経年変化し、深みのある手元を愉しむことができます。

4. 生地を裁断縫製する

織りあがった生地と組み終えた骨は、「加工職人」に引き継がれます。
生地は傘に成るべく裁断・縫製し、骨組みに張っていきます。
大量生産品では、生地の裁断時、8枚・10枚・それ以上・・と重ねて裁断し効率を上げていますが、前原光榮商店のほとんどの加工は2枚重ねで裁断し裁断時の精度を上げています。
加工職人は、自ら調整し創った三角形状の「木型」を生地にあて断ち包丁で断っていきます。この作業が完成時の商品の良し悪しを大きく左右します。

これら4人の職人たちの技術の粋を集結し、前原光榮商店の傘はなりたっています。
特に生地の裁断縫製は、傘の出来栄えを左右する最も重要な技術のひとつ。
高品質の生地・骨・手元を擁しても、傘の裁断縫製次第では美しいフォルムの傘に仕上りません。生地を裁つ際の正確さから、縫製する際の針の落とし方まで徹底的に気を使います。そこに数ミリの誤差が生じるだけで、傘を広げたときの張りや音、フォルムに影響があるからです。

前原光榮商店の傘は、それぞれの素材の品質はもとより、この裁断縫製加工にこだわりを持って製造しております。

ぜひ、一度こだわりの詰まったをお手にとっていただけますと幸いです。