オンラインショップへ

Short story about an umbrella shop

なぜロゴマークにトンボ? トンボ洋傘って?

私たちのロゴマークやブランド名にある「トンボ洋傘」。
なぜ「トンボ」なの?とお客様からもよく聞かれます。
そこには、創業者である前原光榮の傘づくりに対する想いが込められていたのです。

創業者の「前原光榮(こうえい)」は群馬県館林市出身。
光榮の生まれた明治43年ごろの館林は、今よりもさらに多くの自然がある野山で、多くの動植物や昆虫などがいたそうです。当時は多くの種類のトンボが生息しており、光榮は幼少のころからトンボのその姿が大好きでした。

時は流れ、東京の大手洋傘メーカー「若林」(現在のオーロラ株式会社)にて洋傘づくりに携わっていた光榮は、昭和23年、自らの洋傘づくりを目指し、独立を決意しました。
前原光榮商店の創業です。屋号を自らの名前とするのは、今ではなかなかないと思いますが、当時は多かったのかもしれません。

独立し起業するにあたり、自らの決意も込めトレードマークを作りたいと思い、まっさきに浮かんだのが故郷のトンボたちが飛び舞う風景でした。
また、「トンボ」はその性質上、前進しかせず退くことはしないため、昔から縁起の良い「勝ち虫」として、戦国時代の兜の前立てや、刀の鍔(つば)、陣羽織の装飾にも用いられてきました。こうした理由も相まって、不退転の決意と、自らの好きが高じて「トンボ」をロゴマークに採用しました。

1980年代に一時期、トンボのマークを利用していなかった時期がありますが、2000年に復刻し、正式なロゴマークとし現在に至ります。
ちなみに、ロゴマークに添えられている「トンボ洋傘」や「前原光榮商店」のフォントデザインは、光榮自ら毛筆で書いたものがモチーフとなっています。
光榮は達筆で、左右どちらの手でも毛筆を扱い、硯が置いてある方に近い手で書を書いていたという逸話もあります。
また、光榮が亡くなった昭和46年以降、数年間にわたり、毎年お盆の際に迎え火を焚く前後に、玄関先にトンボが来ていたという怪現象?もあったそうです。
今は東京ではあまりトンボを見る機会がめっきり少なくなりましたが、前原光榮商店のトンボにはそんな思いが込められております。