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傘のパーツの中で、最も長持ちするのが“手元”です。前原光榮商店では木製の手元を中心に、様々な素材をご用意しております。木製の手元には、使い込むことで生まれる経年変化という愉しみ方もあります。ここでは、より永く傘に愛着を持っていただけるよう、手元の素材ごとの特徴をご紹介します。

寒竹は、晩秋から冬にかけて出る竹の地下茎を加工したものを用います。春を過ぎると水分を多く含んでしまうため、生育が止まる冬に採取します。まさに、読んで字の如く「寒竹」なのです。冬に採取される地下茎は硬く、昔から傘のハンドルはもちろんステッキなどの手元に多く使用されてきました。

一番の特徴は節が形成するアクセントで、太さや節の数などで個体差が大きい素材です。節があることによって持ったときのグリップが安定しやすく、巻いたタッセル(房)がずり落ちにくいのも嬉しいポイント。

使い始めはカサカサとしら手触りですが、次第になめらかに手になじむようになり、表面にはきれいな艶が出て光沢感を楽しめるようになります。保管時の乾燥などにより“あくび”が生じる場合があります。

※“あくび”とは手元の曲がりが開いてくる現象。収納場所の高温や多湿といった環境や、手元を引っ掛けるなどの保管方法により生じることがございます。

前原光栄商店では、国産の寒竹の中から太さ、節の出方など立派なものを選りすぐって曲げの加工を施した「厳選寒竹」もご用意しております。現在では生産量が極端に減ってしまった国産の寒竹。希少性も非常に高く、価値の高い手元です。使うほどに飴色に変化し、艶が増して貫禄のある姿への経年変化をお楽しみいただけます。

いかがでしたでしょうか? 次回は「ヒッコリー」についてご紹介いたします。