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Craftsman’s tools

水の侵入を防ぐ静かな名脇役“陣傘殺し”

前原光榮商店の傘づくりに欠かせない道具、先端から水が内側に侵入することを防ぐために使用する「陣傘殺し(じんがさごろし)」通称:ジンコロ。物々しい名前とは裏腹に、日本製の傘づくりにとって大切な“守る”役割を果たすジンコロの使われ方についてご紹介します。

※陣傘は陣笠と表現されることもあります。

陣傘殺し

少しおどろくような名前ですが、「陣傘殺し」は傘にとってとても大切なパーツの一つです。

名前だけを聞くと、武士の道具のようにも思えますが、これは傘の内側、まさに“要”となる場所を支える「陣傘」をしっかりと固定するために使われる道具の名前です。目立たないところで、傘の形や動きを支えてくれている。そんな“縁の下の力持ち”の役割を果たしているのです。

傘を開いたとき、外側の中央あたりをよく見てみてください。
中棒と呼ばれる、傘の軸の部分に、放射状にのびる骨が接続されていますよね。 この「骨を押さえて支える」ためにある金具、「陣傘」を取り付ける際に使われています。陣傘を取り付けるときは、菊座(きくざ)と呼ばれる布を下に敷き、ジンコロを使ってしめていきます。

陣傘の取り付け

「殺す」というのは、武道などで「動きを止める」という意味で使われています。つまり、「骨の動きを制御し、しっかりと収める役目」そんな働きから、「陣傘殺し」という名前がついたと言われています。
昔の和傘文化や武具の名残を感じさせる、日本の職人文化らしい、趣のあるネーミングですね。

前原光榮商店では、この陣傘殺しの取り付けもすべて手作業。中棒の太さに合わせて、職人がひとつひとつ、絶妙なバランスで取りつけていきます。
ジンコロの内側は先細りのテーパーになっており中棒に吸い付くように陣傘の形状を整えてくれます。

ジンコロ

力加減が強すぎると、骨の可動域が狭くなり、弱すぎると、傘がグラついたり、開閉が不安定になります。ほんの数ミリ、数グラムの違いが、傘の開き心地や、使い心地を大きく左右してしまう——
そんな繊細な作業だからこそ、人の手と感覚が欠かせないのです。

繊細な作業

傘は大小さまざまなパーツが緻密に組み合わさっています。前原光榮商店の傘には、こうした小さなパーツひとつにまで、職人の技と心が込められています。

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