手元の木が、ゆるやかに外へと開いてくること。それが傘にとっての「あくび」です。
私たちが退屈なときや眠たいときに出る“あくび”とは違い、傘にとってはちょっと困った状態です。この記事では、あくびが起きてしまう原因やその対策についてご紹介します。

あくびが起きてしまう原因は、傘の保管の仕方が大きく影響しています。
たとえば——
• 壁に手元をかけっぱなしにしている。
• 雨が上がってからも玄関に出しっぱなしにしている。
• 外から帰ってくると、乾かさずに濡れたまましまっている。
そんな日常の「ちょっとしたこと」が積み重なると、木の中の水分バランスが崩れてしまい、ゆっくり、じわじわと、“あくび”は進んでしまいます。寒竹や籐、マラッカなどはあくびが起こりやすい手元で、一度起きてしまうと、元通りに戻すのがとても難しいもの。
だからこそ、「ならないように気をつけること」が、とても大切です。

そこで、あくびを防ぐための3つの習慣を覚えましょう。
壁のフックやドアノブに吊るすのは、傘にとっては不自然な姿勢です。手元は湾曲しているため、重力が片方だけにかかることで、木が元のまっすぐな姿に戻ろうとする力が働きます。
使った後は、なるべく寝かせて保管するか、傘立てにさして保管するようにしましょう。

玄関は、外気に近くて温度変化が激しく、湿気もたまりがち。その環境に長く置いておくと、木が水分を含んで膨らんだり縮んだりしてしまいます。できれば、タオルで水を拭いてから、日の当たらないクローゼットの中など、湿度の少ない場所で保管するのがおすすめです。

あくびを防ぐ、いちばん簡単な方法。それが「バンドを巻く」ことです。
手元の木が外に開こうとする力を、やさしく抑えてくれます。前原光榮商店では、専用のバンド「ハンドルキーパー」も販売しています。お気に入りの傘にこそ、ひとつ持っておきたい道具です。

木の手元は、月日とともに色が深まり、艶が出てきます。
それはまるで、傘と過ごした時間が刻まれていくようなもの。
だからこそ、あくびが起きてしまうと、少し悲しい気持ちになるのです。
ただの雨の日に使う道具ではなく、寄り添ってくれる大切なパートナーだからこそ、日頃のちょっとした心がけで、より美しく、より長く手元を育てましょう。
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ハンドルキーパー