ファーストビュー

ORIGIN

オリジン

傘職人の技術と最上級のマテリアルを集約した、
品性と風格を兼ね備える
前原光榮商店フラッグシップモデル。

昔ながらの伝統的な洋傘の技術を
復刻・結集した傘。

シンプルな無地の黒い傘から醸し出す存在感は、
「手元」「生地」「中棒」「骨」「石突」
すべてのパーツにおいて
こだわりの素材と高い技術を用いて仕立てる
職人の心意気を象徴します。

現代では希少な正絹100%の”小巾生地”

現在主流のポリエステルが生まれるまで、傘生地といえば絹でした。今や希少な存在の絹の傘生地は、正絹100%。国産の絹糸を用い、山梨県富士吉田市で丹念に織られています。
この地域は昔から養蚕業が盛んだった場所柄、”甲州織”の名産地となり、現在でも傘生地の生産地となっています。
通常よりも巾の狭い、昔ながらの小巾(こはば)織機は一日に10メートルほどずつ織り進めます。織機の巾が狭いが故に反物の耳がそのまま傘の縁となる「耳付き」という仕様が、シルエットに格調を添えています。
ポリエステルとは一線を画す絹特有の滑らかな艶感が高級感を引き立てます。絹の質感をできる限り維持しつつ、以前から正絹生地の弱点であった”雨傘としての耐水性”をより高め、実用性も向上させました。

ステッキの技術を応用した「ヤキフ」加工

中棒は国産の樫の中でも厳選された上質な部分のみを用いて加工しています。前原光榮商店の通常の木製中棒の直径は12mmの規格ですが、オリジンの中棒は特別に13.5mmと太く堅牢。 さらにステッキ職人による昔ながらの「ヤキフ(焼き斑)」加工を施しています。ヤキフとは、中棒にみられる数か所の斑紋のことで、歪みや狂いを調整するために部分的にバーナーで炙る加工のこと。 もともとは実用性のための技術ですが、より風格が備わるという見た目の美しさにも寄与しています。
さらに表面には通常行わない仕上げのコーティングを施して滑らかにすることで、ロクロがスムーズに動いて傘の開閉がより心地の良い動作となります。
中棒の先端部分を彩る石突には、昔から高級傘やステッキなどに使われている耐久性の高い水牛の角を採用。真っ黒いものから部分的に白い模様が現れるものなど個体差をお楽しみいただけます。

作り手のいなくなった「糸巻き(いとまき)」は貴重な資産

親骨には、傘の生地の張り感が最も美しく映える「スチール骨」を使用しています。最大の特徴は、その先端にある「露先(つゆさき)」です。 今日の洋傘の露先は、その作業効率の良さや汎用性などの理由により、いわゆるキャップ式のものが主流となっています。
オリジンの露先は、親骨と一体となっており、その構造は熟練の職人が1本1本仕上げた「糸巻き」と呼ばれるものです。「糸巻き」の骨は、親骨である鉄そのものを加工するのではなく、先端部分に針金を曲げつけ、それを一つ一つカシめるという途方もない労力が費やされています。
その結果、見た目の美しさもさることながら、生地の張力が最も加わる露先において「糸が切れにくい」というメリットも生じます。しかし残念ながらこの技術はすでに失われており、今後製造することはできない貴重な資産部材です。

純銀を使用した玉留が存在感たっぷりのマラッカ手元

昔から紳士が持つステッキの中でも最高級の素材の一つとして用いられていた「マラッカ」。その名の由来は原産地で、マラッカ海峡付近のインドネシアです。 籐や竹の仲間で、丈夫で軽く弾力性があり繊維質が強いのが特徴です。個体によっては表面に「斑」があり、上品なたたずまいが魅力。使い込むごとに艶が増し、「育てる」楽しみと所有感を満たしてくれる手元です。
また通常、前原光榮商店の玉留は真鍮製ですが、オリジンは特別に銀999のいわゆる純銀製。以前より銀を用いた玉留は弊社製品の高級傘のラインナップにも用いられていましたが、 銀特有の柔らかさのため経年と共に変形してしまうことが多くありました。 オリジンの玉留は土台部分に真鍮を用い、その周りに純銀を継いで強度を高めています。この美しい加工は東京銀器伝統工芸士の岩村淳市氏によるもので、ピュアシルバーならではの輝きが傘の存在感を高めています。

商品紹介

【紳士】オリジン-ブラック

【紳士】オリジン-ブラック

165,000円(税込)~

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